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京都地方裁判所 平成10年(ワ)247号 判決

原告

柳澤民造

外一五名

右一六名訴訟代理人弁護士

飯田昭

被告

株式会社足立住宅

右代表者代表取締役

足立治三郎

右訴訟代理人弁護士

原健

三野岳彦

主文

一  被告は、原告らに対し、それぞれ別紙認容金額目録記載の各金員及びこれらに対する平成一〇年二月一三日から支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。

二  原告らのその余の請求をいずれも棄却する。

三  訴訟費用は、これを五分し、その四を原告らの負担とし、その余を被告の負担とする。

四  この判決は、第一項に限り、仮に執行することができる。

事実及び理由

第一  請求

被告は、原告らに対し、別紙請求債権目録の「請求債権額」欄記載の各金員及びこれらに対する平成一〇年二月一三日から支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。

第二  事案の概要

一  本件は、被告(以下「被告会社」という。)が分譲したマンションを購入した原告らが、広告等に全戸南向きと表示されていたのに実際はかなり西を向いており、これによって損害を被ったとして、被告会社に対し、債務不履行ないしは不法行為を理由に損害の一部の賠償を請求した事案である。

二  前提事実(証拠により認定する場合には証拠番号を示す。)

1  原告らは、被告会社を売主、株式会社足立土地を販売代理として、平成六年春から秋にかけ、京都市右京区梅ヶ畑高鼻町〈番地略〉所在鉄筋コンクリート造陸屋根・鋼板葺地下一階付五階建物の分譲マンション「シェモア広沢北」(以下「本件マンション」という。)を購入した者であるが、本件マンションは未完成の状態で販売されたため、被告会社の本社ビル地下に設置されたモデルハウスで間取りの確認等を行った。

2  本件マンションの販売方法

(一) パンフレット(甲四、五二)

被告会社が作成した本件マンションのパンフレットには、立面図、敷地配置図、各階平面図などの図面集、プラン図と題する間取り図面及び本件マンションの概要等が記載されているが、裏表紙に記載されたマンションの所在地を示す予定地概略図の他には方位を示す記載がなく、また「全戸南面・採光の良い明るいリビングダイニング」とのコピーが記載され、南立面図としてバルコニー側が表示された図面が配されていた。

(二) 新聞広告及び折込チラシ(甲二、三の1、2、三五)

被告会社は、本件マンションの宣伝として、新聞広告及び折込チラシに広告の最上部に大きく「全戸南向き」と記載したほか、「全戸南向の明るい室内」等と記載し、またチラシの敷地配置図に方位を示すNの入ったマークを入れ、これにより、本件マンションが真南から約四〇度西方向を向いていることを示していた。

(三) 被告会社本社ビル一階の販売センターには正確な方位の記載された建築設計図書が備え置かれていたが、すべての買主がそれを見るわけではなく、また、被告販売員も、特に質問がなければ方位について買主に説明することはなかった(証人木ノ下)。

3  原告らは、次の日時に、別紙請求債権目録「売買金額(駐車場を除く)」欄記載の売買代金で本件マンションを購入した。

柳澤民造 平成六年一〇月三日

川邊清 同年八月二三日

福山克樹 同年八月二七日

里村政計 同年九月一日

片岡政彦及び片岡文男

同年五月一〇日

新井英之 同年五月一二日

鈴木厚功及び鈴木禎昭

同年九月三〇日

星子基次郎及び星子肖子

同年一〇月一三日

柳川城司 同年五月一〇日

岩田和博 同年一〇月三日(四〇六号、四〇八号とも)

安藤公三 同年五月二二日

三木淳一 同年九月一一日

濱口一朗 同年五月二七日

4  本件マンションについては、平成七年四月一七日に完成検査を受け、同月二三日に内覧会が行われ、同月二八日以降原告らが本件マンションに入居し、その後、平成八年二月に本件マンション全体のアフターケアーとしての補修が実施され、同年一二月には、本件マンション管理組合から被告会社に対し、建物の向きを問題とする申入書(甲六)が差し出された。

5  なお、本件マンションは、バルコニー側が真南から六二度一一分西方向に向いている(乙一)。

三  争点

1  本件マンションの販売方法は不法行為(詐欺又は宅建業法違反)に該当するか。

(原告らの主張)

(一) 詐欺について

被告会社は、本件マンション販売の中心的広告方法であるパンフレットにおいて、「全戸南向・採光の良い明るいリビングダイニング」と、全戸のリビング・ダイニング側のバルコニーが南向きであると表示し、また新聞広告及びチラシにも「全戸南向き」、「全戸南向の明るい室内」などと記載し、Gタイプを除きリビング・ダイニング側のバルコニーが真南を向いているとの認識を与える表示をし、また、チラシにおいて、敷地配置図に方位を示すNのマークを記載し、バルコニー側が南から約四〇度西方向に向いていることを示し、これらの表示(以下「本件表示」という。)により、原告らに対し、当然本件マンションが真南か、少なくとも南から約四〇度西方向を向いているものと信じさせ、本件マンションを購入させた。

しかし、実際には本件マンションは真南から約六二度も西を向いていたのであり、被告会社は、「西向き」であった本件マンションを、「南向き」であるかのように装い、その旨原告らを誤信させて本件マンションを購入させたものであるから、被告会社の右行為は、詐欺であって、不法行為に該当する。

(二) 宅建業法違反について

被告会社の本件表示は、マンション分譲業者の信義誠実義務(宅建業法三一条)に反し、また「建物の所在、……形質、……環境」について「著しく事実に相違する表示をし、又は実際のものよりも著しく優良であり、若しくは有利であると人を誤認させるような表示」として、誇大広告等の禁止(同法三二条)の規定に違反し、不法行為に該当する。

(被告会社の主張)

(一) 詐欺について

被告会社は、そもそも、原告らが主張するように、新聞広告等に「南から四〇度西向き」と記載した事実もないし、そのような建物を建築すると説明したこともない。被告会社は、当初から建築図面(乙一四、一五の1ないし3)のとおり建築を計画し、本件マンション販売開始時から同図面を販売センターに備え付けて閲覧に供し、必要に応じて説明をし、求めがあれば謄写にも応じていたのである。なお、チラシの中に記載されたNのマークは、不動産広告におけるおおよその方角、すなわち上が北か下が北かを表すほどの印であり、原告らが主張するような正確なものではない。

さらに、被告会社が「南向き」と表示したことについても、設計図面と併せれば真南から六〇度余り西に向いた方位を意味することが分かるし、折込チラシだけを見るにしても、約四〇度西に向いた方位を示しており、いずれにしても南西向きの意味であることが理解できるのである。そして、建物の向きという概念は必ずしも確定されておらず、不動産広告の分野では南向きとの用語が幅広く使われていることなども踏まえると、南西及び南東の向きを含めて「南向き」と表現することが許されるというべきである。

よって、被告会社が本件表示をした行為が詐欺であるとはいえない。

(二) 宅建業法違反について

右のとおり、「南向き」との表示であっても、南西向きの意味であることが理解できるのであり、南西及び南東の向きを含めて「南向き」と表現することは許されるというべきであるから、本件表示は「著しく事実に相違する表示」や「実際のものよりも著しく優良であり、若しくは有利であると人を誤認させるような表示」には当たらないので、被告会社が本件表示をした行為は、宅建業法に違反しない。

2  本件マンションの販売方法は債務不履行(説明義務違反)に該当するか。

(原告らの主張)

被告会社は、本件マンションが六二度以上も西に向いているのに、これを「南向き」と表示、説明しているところ、一般に、分譲マンションの販売業者が「南向き」と表示、説明してマンションを販売することが許されるのは、最大限で真南から四五度の範囲までであり、それを超えて西に向いているマンションを「南向き」と表示、説明するのは、購入希望者に不測の損害を与えるおそれがあり、信義則上の説明義務に違反するものであるから、被告会社の販売方法は債務不履行を構成するというべきである。

(被告会社の主張)

前記第二の三の1被告会社の主張のとおり、南西及び南東の向きを含めて「南向き」と表現することは許されるというべきであるから、被告会社には信義則上の説明義務違反はなく、債務不履行はない。

3  原告らの被った損害の額はいくらか。

(原告らの主張)

原告らは、本件マンションが真南から約六二度も西に向いていたため、別紙請求債権目録記載のとおり、次の(一)ないし(五)の損害を被った。

(一) 価格減少損害金として、一平方メートル当たり三万円

「南向き」マンションと比較して、売却時に少なくとも一平方メートル当かり三万円の価格減少が生じた。

(二) 日照減少分損害金として、各戸一五〇万円

マンションでの生活においては、南向きであり、日照がリビング・ダイニングに十分確保されていることが最も重要であるのに、本件マンションでは、冬季の午前中はほとんど日照を得られない状況である。

(三) 光熱費増加分損害金として、各戸一〇〇万円

夏は西日が長時間当たり、エアコンの使用時間が伸び、冬は午後もかなりすぎてからでないと日が当たらず寒いため、ストーブ等の暖房器具や照明灯の光熱費がかさんだ。

(四) 慰謝料として、各戸三〇〇万円。

(五) 弁護士費用として、請求金額の一割相当額。

(被告会社の主張)

本件マンションは、原告らが南向きの限界と主張する四五度を基準とすれば約一七度、チラシのNマークの向きを基準とすれば約二二度西方向を向いているが、その程度の違いによって原告らが主張するような損害が発生するとは考えられない。また、本件マンションの向きと原告らの主張する損害との間に因果関係はないし、一平方メートル当たり三万円という金額も根拠のないものである。

第三  争点に対する判断

一  被告会社の損害賠償責任(争点1、2)について

1  まず、本件マンションの販売方法が売買契約に付随する信義則上の義務に違反するかについて検討する。

2  売主の付随義務

一般に、不動産分譲事業者が居住を目的とする買主に不動産を分譲する場合、売主は不動産売買に関する専門知識を有しているのに対し、買主は事業者から提供される情報を信頼して判断せざるを得ない立場にあることが多く、加えて不動産売買は代金額が高額であり、買主が正確な情報を得て、真に購入を望む物件を売買の対象とする要請が強いのであるから、不動産分譲事業者には、買主の意思決定に対し重要な意義を持つ事実について、不正確な表示・説明を行わないという信義則上の付随義務があるというべきである。

そして、本件のようなマンションの売買に当たっては、マンションの向きによって、日照時間が異なるため、夏季であれば西日が当たるかどうか、冬季であれば日中の十分な日照が確保できるか等が大きな影響を受け、マンションで快適な生活を送れるか否かが左右されるのであるから、マンションの向きは、売買契約を締結するかどうかを判断する際に重視される事項の一つというべきである。特に、売買契約時に目的物たるマンションが完成していない場合には、買主は現地見分によりマンションの向きを確かめることができないから、そのようなマンションの売主は、買主に対し、マンションの向きについてできる限り正確な情報を伝え、不正確な表示・説明を行わないよう注意すべき信義則上の義務を負うと解すべきである。

よって、本件において、マンション分譲業者である被告会社には、原告ら買主に対し、信義則上、本件マンションの向きについてできる限り正確な情報を伝え、不正確な表示・説明を行わないよう注意すべき義務があったというべきである。

なお、ここでいうマンションの「向き」とは、バルコニー及び広い開口部を備えたリビングルームの面する向きをいうのであり、被告会社が主張するようにマンションの「向き」の概念が多義的で不明確であるとはいえない。

3  被告会社の義務違反

次に、被告会社が本件マンションを分譲するに際し、右義務に違反したかどうかを検討する。

(一) パンフレット等の記載内容

本件のようなマンション完成前の売買の場合、買主は、その物件を購入するかどうかの判断に当たり、分譲事業者の告知・説明、なかんずく、物件の諸図面、仕様、概要等が詳細に文書化されているパンフレットの記載を重要な判断材料とするものということができる。そこで、本件パンフレットの記載をみると、前記第二の二の前提事実のとおり、本件パンフレットには正確な方位を示す記載が一切なく、「全戸南面・採光の良い明るいリビングダイニング」とのコピーが記載され、南立面図としてバルコニー側が表示された図面が配されていたのであり、以上に加え、南立面図以外の敷地配置図、各階平面図及びプラン図なども、Gタイプ、Hタイプ(バルコニーが二か所あり、リビングダイニング側の分は右側方向に、もう一方は真下方向に記載されていた。)を除き、バルコニー側が真下方向にくるような記載となっていたこと(甲四、五二)などをも考慮すると、本件パンフレットは、これを見る者に対し、Gタイプ及びHタイプを除き、すべての部屋が真南を向いているとの印象を与える内容となっているものといえる。

次に、新聞広告及び折込チラシについて検討すると、前記第二の二の前提事実のとおり、広告の最上部に大きく「全戸南向き」と記載したほか、「全戸南向の明るい室内」等と記載されていること(甲二、三五)などからすれば、右各広告等についても、本件マンションが真南を向いていることを示す内容となっていたものといえる。また、チラシの中には敷地配置図が記載され、三角形の矢印が北を示して方位が分かるようになっているものがあり、これによれば、Gタイプ及びHタイプを除き、本件マンションは真南から約四〇度西方向に向いていることが示されていたといえる。

なお、この点につき、被告は、敷地配置図の方位を示すマークは正確なものではないと主張するが、一般に、マンションの売買に当たって方位が高度に重要な要素であること、本件マンションについては、完成前の売買であるため、買主は被告会社の提供する情報を信頼するしかない立場にあったことなどに照らすと、右記載には正確性が要求されるべきであるから、被告会社の主張は採用できない。

(二) 不正確な表示・説明の有無

被告会社は、パンフレットや新聞広告において、本件マンションが真南を向いていると表示したのであるが、前記第二の二の前提事実のとおり、本件マンションは、バルコニー側が真南から六二度一一分西方向に向いていること、東南向きを全室南向きと表示することを不当表示の例として挙げた文献があること(甲五〇)に照らし、被告会社による本件マンションの向きに関する表示は、不正確なものであったというべきである。また、折り込みチラシの敷地配置図は本件マンションが真南から約四〇度西方向に向いていることを示すものであるが、本件マンションは、真南から六二度一一分西方向に向いているのであるから、四方位でいえば、南というより西に近いのに、右配置図によると、西よりも南に近いことが示されているのであって、マンションにおける向きの重要性、特に南向きか否かは居住者の快適性、経済性に大きな影響を及ぼすことにかんがみれば、このような折り込みチラシの記載も不正確な表示・説明であるといわざるを得ない。

これに対し、被告会社は、販売センターに備え付けられた建築設計図書には正確な方位が記載されていたのであるから、これを見れば本件マンションの正確な向きが分かったはずであると主張するが、居住を目的にマンションを購入する者に対して設計図面まで精査するよう要求することはできない。

以上によれば、被告会社は、本件マンションの向きにつき、不正確な表示・説明をしたものというべきである。

4 被告会社は、本件マンションを販売するに当たり、その向きについて不正確な表示・説明をしないよう注意すべき義務があったのに、これに違反したものというべきである。したがって、争点1について判断するまでもなく、被告会社は、原告らに対し、損害賠償責任を負わなければならない。

二  原告らの損害(争点3)について

1  売却時の価格減少分、光熱費増加分及び日照減少分の各損害

原告らは、本件マンションが南向きであると信頼してこれを購入したのに、実際には真南から六二度一一分西方向に向いていたのであるから、これによって、日照が減少し、光熱費が増加したものと認められる(証人三木、原告里村、同安藤、同川邊、同岩田、弁論の全趣旨)が、証拠上、その具体的な損害額を認めることができないので、結局、財産的な損害賠償の対象となる損害としては認められないというほかない(もっとも、右日照の減少、光熱費の増加の点は慰謝料において考慮する。)。

なお、原告らが本件マンションの向きについて誤信していたとしても、原告らは、転売目的で本件マンションを購入したものではなく、また、本件マンションが真南を向いていることを前提として原告らの購入時の売買代金の額が決められたのかどうかは明らかでないので、被告会社の債務不履行によって売却時の価格が減少したと認めることはできない。

2  慰謝料

原告らは、被告会社の債務不履行により、予想していたより西に向いた本件マンションを購入することになり、それによって夏季には強烈な西日を受けて室内の温度が上昇したり眩しかったりし、また冬季には日光の入る時間が短いため室内が寒く、窓や壁面の結露がひどいといった精神的苦痛を被ったことが認められる(証人三木、原告里村、同安藤、同川邊、同岩田、弁論の全趣旨)ので、右事実のほか、前記原告ら主張の損害を認めなかったことや、本件マンションの売買代金額その他の諸事情を考慮(なお、原告岩田のマンション二戸のうちHタイプのものは、リビングダイニング側のバルコニーは予想より南に向いたことになるが、洋室側のバルコニーは予想より西に向いたことになるので、この点をも考慮)すると、原告らの慰謝料の額は、次のとおりに定めるのが相当である。

柳澤民造 一二〇万円

川邊清 一二〇万円

福山克樹 一二〇万円

里村政計 一二〇万円

片岡政彦及び片岡文男 各六〇万円

新井英之 一二〇万円

鈴木厚功及び鈴木禎昭 各六〇万円

星子基次郎及び星子肖子

各六〇万円

柳川城司 一二〇万円

岩田和博 一二〇万円(四〇六号)

同 四〇万円(四〇八号)

安藤公三 一二〇万円

三木淳一 一二〇万円

濱口一朗 一二〇万円

3  弁護士費用

本件損害の内容に照らし、原告らは、その訴訟の進行を弁護士である原告ら訴訟代理人に委任せざるを得なかったものと認められるうえ、被告会社の負う債務不履行責任の内実は、不法行為責任に匹敵する違法性があるということができるので、弁護士費用相当額も被告会社の債務不履行と相当因果関係のある損害であると認められ、その額は次のとおりと認めるのが相当である。

柳澤民造 一五万円

川邊清 一五万円

福山克樹 一五万円

里村政計 一五万円

片岡政彦及び片岡文男

各七万五〇〇〇円

新井英之 一五万円

鈴木厚功及び鈴木禎昭

各七万五〇〇〇円

星子基次郎及び星子肖子

各七万五〇〇〇円

柳川城司 一五万円

岩田和博 二〇万円

安藤公三 一五万円

三木淳一 一五万円

濱口一朗 一五万円

第四  結論

以上のとおりであるから、原告らの被告に対する請求は右の限度で理由があるからこれを認容し、その余は理由がないからこれを棄却することとして、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官・松本信弘、裁判官・河田充規、裁判官・向井邦生)

別紙

認容金額目録〈省略〉

請求債権目録〈省略〉

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